うちのプリメーラもサーキットを走るせいかフロント左ハブベアリングが駄目になりました。
しのいサーキットの場合、裏シケインで左側の縁石をよく使うため、左側のハブベアリングが駄目になりやすいそうです。
フロントのハブベアリングが駄目になると、走行中のアクセルON/OFF時や前進と後進の切り替わり時にハブ周辺から「カン!コン!」と音がするようになります。
さらに症状が進むと、ホイール回転中に「シャリシャリ」「キリキリ」「カリカリ」「ゴリゴリ(ひどくなると)」異音が生じたり、ドライブシャフトが暴れだし、床下から「ゴツゴツ」と異音がするようになります。
あまり症状がひどくなると、ハブやナックルまで駄目になる可能性もありますので、気づいたら早めに交換したほうがよいでしょう。
長らく悩まされていた異音に、原因を探った結果、ここだと分かりました。
ディーラーにて交換をお願いした結果、
管理人「フロント左右のハブベアリングを交換して欲しいんですけど」
ディーラー「距離は何万キロですか?」
管理人「13万キロ走ってます」
ディーラー「となると、ベアリングだけでなく、ナックル、ハブ、バックプレートも交換した方がいいですね」
管理人「何でですか?」
ディーラー「ベアリングを抜き取るとガタガタになっちゃうんですよ」
管理人「総額でいくらになりますか?」
ディーラー(FASTで調べながら)「だいたい11万くらいです」
管理人「分かりました。考えてみます(トェメーふざけんなよ)」
ろくにハブやナックルの状態も見ずにこの判断。もうね、ヴァカかとアフォかと。
ぼったくる気満々ですね。あまりにバカらしくなってきたので断ってきましたが。
民間工場での交換も考えましたが、またベアリングが壊れたときにでも対処できるよう、またハブ周りを外せれば、ロアアームやドライブシャフトも交換できるようになる利点があるため、自分で調べて交換することに挑戦しました。
1.
フロントだけジャッキアップし(まだウマは掛けなくてよい)、ハブナットの割ピン、キャップを外しておきます。
割ピンは原則として新品に交換です。ハブナットの割ピン 00921-5352A
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2.
ハブナットを緩めるために、再度、ホイールを装着し、タイヤを地面に接地させます。ハブナットは、偉いトルクで締まっていますので、でかい36mmソケットとスピンナハンドル(両方で1万ぐらいしました)を使用すれば楽に緩められます。
2人いる場合は、タイヤを接地させなくても、ジャッキアップしてウマを掛けた状態で、1人がブレーキを踏み、もう1人がハブナットを緩めればよいです。
ハブナットが緩んだら、再度ジャッキアップし、ウマに掛けてホイールを外しておきます。
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3.
ブレーキキャリパー、ブラケット、ローターを外します。キャリパーは画像のように吊しておきます。
ここで、ハブのナット、ワッシャーを外しておきます。
4.
タイロッドエンドの割ピンを外し、ナット(19mm)を外します。タイロッドエンドプーラーなどを使ってタイロッドエンドをナックルから外します。
タイロッドエンドの割ピン 08921-3252A
5.
画像のサードリンク下のナット(17mm)を外し、ナックルとサードリンクを分離させます。最初、キャップがされているので、マイナスドライバーなどでこじって外します。
ナットを外したら、ナックルやハブの上あたりをプラハンで軽く叩いてやると、ナックルがサードリンクから外れてきます。これで、ドライブシャフトをハブ&ナックルから抜くことができます。
ドライブシャフトの先端をプラハンで軽く叩きながらハブ&ナックルから抜きます。
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6.
ナックル下側の割ピンを外し、ナット(22mm)を緩めます。ここもタイロッドエンドプーラーなどを使用して、ナックルとロアアームを分離させます。これでナックルアッシーが外れました。そう、ここまでできればドライブシャフトの他、ロアアームだって交換できちゃうんですね〜。うーんすばらしい。ちなみに、ロアアームがフリーになったところで手で少し揺すってみましたが、まだガタはなさそうです。私は万一のジョイントが外れるのを防ぐため、ドライブシャフトはこうやって吊しておきました。
工具に値段表が付いているのはご愛敬。面倒くさくて剥がしていないだけです(爆)。ジョイフル○田さん、もっと値段表剥がしやすいように付けてください(笑)。
ナックルの割ピン 08921-3202A
さて、ナックルが外れたところでちょっとコーヒーでも飲んで休憩しますか。
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7.
ナックルをこのように置きます。ブロック塀を2つ使うと便利です。
ナックルからハブを抜きます。ハブの裏側に何かあてがい(ソケットなど)、プラハンで叩くと、ハブがナックルから外れていきます。
ハブが外れたら、ハブにインナーレース(ベアリングの内側)が残りますので、これをギヤプーラーを使って抜きます。
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8.
このようにギヤプーラーを掛けて(画像左)、ボルトを締めていくと、インナーレースが外れます(画像右)。ハブにグリースシールが残っている場合は、画像のように一緒に外れてきます。
外れたインナーレースは、ナックル側のベアリングに元通り取り付けておきます(プーラーを掛けやすいようにするため)。
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9.
グリースシール(画像左)、スナップリング(画像右)をナックル(アウター側、インナー側)より外します。
グリースシールはマイナスドライバなどで軽くこじり、スナップリングはマイナスドライバでうまく縮めてやれば外れます。
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10.
これでナックルのベアリングを外す準備ができました。いよいよメインイベント、ベアリング交換行程に入ります。
ここで活躍する工具が、画像左のハブベアリングプーラー、パイプバイスです。ナックルのベアリングにハブベアリングプーラーを掛け、それをパイプバイスで固定し、プーラーのボルトを締めていきます。ボルトを締めていくために大きな力がいり、さすがに手では押さえられないため、パイプバイスで固定するわけです。
プリメーラの場合、ベアリングはインナー側、アウター側どちらからでも抜くことができます。プーラーを掛ける都合上、私はインナー側にプーラーを掛けて抜きました。アウター側ではバックプレートを傷めてしまうからです。
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